マイコプラズマ(ウレアプラズマ)という疾患名を知っていますか?性病の一種で、ここ数年尿道炎の原因菌として注目を浴びている病気です。
今回はマイコプラズマ(ウレアプラズマ)の特徴や症状、そして検査や治療を受けることができる場所などについて紹介します。
・マイコプラズマ(ウレアプラズマ)とは?
マイコプラズマ(ウレアプラズマ)は、尿道炎の原因となる細菌の一種のことを指します。尿道炎の原因菌として有名なのは、淋菌とクラミジアです。尿道炎全体の約40%を淋菌が占め、それ以外の尿道炎を非淋菌性尿道炎と呼ぶのが一般的です。非淋菌性尿道炎の内50%をクラミジアが占め、残りをマイコプラズマ(ウレアプラズマ)が原因となっていることが分かっています。
・マイコプラズマ(ウレアプラズマ)の症状
マイコプラズマ(ウレアプラズマ)の症状は、クラミジアの症状によく似ています。そのため症状のみで見分けることは困難で、通常は検査で見分けることになります。マイコプラズマ(ウレアプラズマ)に感染してから実際に症状が出るまでに、約1週間~5週間かかると言われています。
男性と女性それぞれでマイコプラズマ(ウレアプラズマ)の症状は異なるので、一つずつ見ていきましょう。
■男性の症状
男性の場合はクラミジアに似た症状が現れます。しかし程度は軽いのが特徴です。そのため発症したことに気が付かずに過ごしてしまうことも少なくありません。
◇初期症状
潜伏期間の後に尿道炎を発症します。尿道の不快感や軽い排尿困難、また透明性や粘液性の分泌物が出るなどの症状がみられます。分泌物は少量で、またいずれの症状も軽度なため気が付かずに見過ごされてしまうことも少なくありません。朝には症状が著明になることが多いです。
◇中期症状
治療を受けずに症状が進行すると、ペニスの尿道口が赤く変色することがあります。また分泌物が乾燥することにより尿道口が塞がれ、下着が汚れることも見られます。時折症状が重症化すると排尿困難や、頻尿、たくさんの膿を持った分泌物が出現することもあります。さらに進行すると、精巣上体炎を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
■女性の症状
女性の場合は症状が全く出現せず、気付かないまま過ごしてしまうことが多く見られます。
◇初期症状
マイコプラズマ(ウレアプラズマ)に感染した初期段階では排尿の困難や頻尿、切迫尿意、骨盤痛、また尿道炎などの症状が起きることがあります。しかしいずれも症状は軽度のため、気が付きにくいのが特徴です。外陰部の軽い痒みや痛みが見られることもあります。
◇中期症状
適切な治療を行わずに放置すると症状は悪化していきます。卵管や子宮外妊娠腹膜炎不妊症の原因になることもあるので初期段階での治療が重要です。
・感染経路は?
マイコプラズマ(ウレアプラズマ)の主な感染経路は、性的接触(セックス、オーラルセックスなど)です。不衛生な浴室やトイレなどを通して感染することもありますが、これらは非常に稀なケースです。
感染力は非常に弱いとされていますが、性的接触からの感染を確実に防ぐためにはコンドームの使用を徹底してください。オーラルセックスをする際もコンドームの使用が効果的です。
・検査や治療はどこでできるの?
マイコプラズマ(ウレアプラズマ)の検査や治療はどこでできるのでしょうか?それぞれについて見ていきましょう。
■検査は医療機関で行う
マイコプラズマ(ウレアプラズマ)の検査は医療機関で行います。泌尿器科や性感染症科、性病科などで検査を受けましょう。
男性は尿検査を行いますが、女性の場合は子宮頚部の粘膜を擦って採取したものを検査にかけます。通常は一週間ほどで検査の結果が判明します。
■治療も医療機関で行う
治療も検査と同様に、医療機関で行うのが一般的です。症状がよほど重症でない限り、一般的には抗生剤の内服で治療を行います。全部で4種類ある原因菌の内、どれが検査結果で検出されたかにより治療薬が決定されます。クラミジアと比べて高い効果を持つ薬剤が限られているため、治療にかかる期間が長くなるのが特徴です。治療にかかる期間は約10日から2週間ほどです。1回の治療で90%以上の患者が治癒をします。
服薬を開始してから約2週間後に再度検査を行い、マイコプラズマ(ウレアプラズマ)が検出されなければ治療終了となります。
・まとめ
マイコプラズマ(ウレアプラズマ)は性病の一種です。尿道炎の原因となる菌のことで、非淋菌性尿道炎の内の約半分を占めています。
男性と女性どちらも症状が全く見られなかったり軽度だったりするため、発症していても気付かずに見過ごされやすいのが特徴です。しかし適切な治療を受けずに症状が進行すると、精巣上体炎や腹膜炎、不妊症などの原因にもなるので気をつけましょう。
検査と治療は医療機関で行うことができます。気になる人は、一度医療機関の受診を受けるようにしてください。