風俗やワンナイトラブのあとで、性病にかかってないか不安になることがありませんか?
性病は、自分でも気が付かないうちに感染してしまっていることがほとんどです。
性病は様々な種類があり、発疹やかゆみで済むものもあれば、AIDSのように、命にかかわるものもあります。
「もしかしたら性病うつされてかも」
「AIDSだったらどうしよう……」
そんな不安を抱えて夜も眠れない、という人は、病院で検査を受けてみましょう。
この記事では、代表的な性病の基礎知識と検査を受けられる医療機関、検査方法や費用について解説していきます。
もくじ
AIDS
AIDSの概要と症状
AIDS(後天性免疫不全症候群)は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が原因で起こる性病です。
感染から2~4週間で発熱、喉の痛みなど風邪のような症状や、筋肉痛、皮疹が起こります。
感染からおよそ10年経つと、寝汗や長期の下痢、理由のない体重減少などが起こります。HIVに感染すると、身体の免疫機能が破壊され、健康な身体であれば治癒するような感染症でも重症化するようになってしまうのです。
AIDSの検査ができる機関&検査方法
AIDSの検査は、保健所や性病科、HIV外来、都内であれば「東京都南新宿検査・相談室」で受けることができます。保健所では、匿名で検査を受けることができます。
検査では、血液を採取し、ウイルスや抗体が存在するかを確かめます。検査結果が出るまでにかかる期間はおよそ1週間です。
AIDSの検査費用
保健所では、HIV検査は無料で受けることができます。
医療機関で検査を受ける場合、保険が適用されず、およそ5,000円~10,000円必要です。
潜伏期間
HIVの最初の潜伏期間は、感染から2週間~4週間です。HIVはその後およそ10年間、体内に潜伏し、身体の免疫機能を低下させていきます。人によっては、発症までに15年かかったり、2年で発症したりすることもあります。
放置すると
HIVを放置していると、身体の免疫機能が破壊され、健康な状態なら発症しないような感染症にもかかりやすくなります。また、感染症が起こっても免疫機能が低下しているため、症状が改善せず、そのまま死に至ります。
AIDS患者の主な死因は、がんや結核、C型肝炎などです。
梅毒
梅毒の概要と症状
梅毒は、「梅毒トレポネーマ」という細菌に感染することで起こる性病です。
感染から3週間~3ヵ月で、痛みのない、あずき大の赤いしこりが現れます。しこりは2~3週間で消えますが、治癒したわけではありません。体内に潜伏した菌は増殖していき、感染後3ヵ月~3年で、バラのような湿疹や白っぽい湿疹を引き起こします。
梅毒の検査を受けられる機関&検査方法
梅毒の検査を受け付けているのは泌尿器科や婦人科、皮膚科です。
梅毒の検査では血液を採取します。血液中から、梅毒の抗体と、梅毒に感染することで作られる「カルジオリピン抗体」が見つかれば、感染が確定します。
感染してから4週間経たないと、検査しても抗体が見つからないので注意が必要です。
梅毒の検査費用
梅毒の検査費用は、医療機関によって大きく異なります。保険適用の場合、およそ2,000円~4,000円が相場です。自由診療では、5,000円~10,000円かかります。
潜伏期間
梅毒は、感染から3週間~3ヵ月で症状が現れます。
放置すると
梅毒は、放置していると症状が重くなっていきます。そのため早期の治療が重要です。
感染後3ヵ月~3年(第2期)の段階で治療をしないと、回復は絶望的です。感染から3年~10年(第3期)で、ゴムのような腫瘍が皮膚や内臓、中枢神経に発生し、頭痛や発熱、運動障害や記憶障害が見られるようになります。
感染から10年(第4期)経つと、心臓や血管、脳や神経にまで腫瘍ができ、痴呆や言語障害が起こります。第4期に入ると、日常生活もままならなくなり、やがて死に至ります。
クラミジア
クラミジアの概要と症状
クラミジアは、「クラミジア・トラコマチス」という細菌によって起こる性病です。
感染すると、男性は性器の痛みや尿道からでる膿、女性はおりものの増加といった症状がみられます。一方、感染しても目立った症状が出ないことも珍しくありません。喉に感染し、喉の痛みや痰の増加を引き起こすこともあります。
クラミジアの検査を受けられる機関&検査方法
クラミジアの検査を扱っているのは、泌尿器科、婦人科です。妊婦なら、産婦人科、喉の症状が出ているときは耳鼻咽喉科を受診するとよいでしょう。保健所でも検査を受けることができます。
検査では、尿や患部表面を擦り取ったものを採取し、その中にクラミジアがいないか確かめます。血液検査は結果が出るのに時間がかかるため、あまり行われません。
クラミジアの検査費用
病院では、クラミジアの検査に3,000円前後必要です。自由診療だと8,000円前後かかります。保健所では無料で検査を受けることができます。保健所でクラミジアの検査を受ける場合、必ずHIV検査と一緒に受ける必要があります。クラミジアの検査は、あくまでHIV検査に付くオプションのようなものです。
潜伏期間
クラミジアは、感染から発症までに、1週間から3週間の潜伏期間があります。また、そのまま目立った症状が出ないこともあります。
放置すると
男性の場合、放置していると感染が精巣や睾丸にまで広がり、精巣上体炎など重い病気を引き起こします。
女性は、子宮や卵管など、性器の奥に感染が広がり、骨盤内炎症性疾患が起こります。
これらの症状は不妊の原因となるため、疑わしい症状に気づいたすぐに病院で検査を受けましょう。
淋病
淋病の概要と症状
淋病は「淋菌」という細菌が原因で起こります。
男性は尿道炎による排尿痛、白色または黄緑色の膿が出るようになります。女性の場合、子宮頸管炎が起こり、おりものが増えたり膿が出たりします。
目立った症状が出にくく、感染に気づきにくいのが特徴です。オーラルセックスの関係で、女性は淋菌性の咽頭炎になる恐れがあります。また、男女とも肛門や目に症状が出ることもあります。
淋病の検査を受けられる機関&検査方法
淋菌の検査は、性病科・泌尿器科・婦人科・産婦人科・保健所で行われます。喉の感染なら耳鼻咽喉科が適当です。
淋菌の検査では、膿や尿などの分泌物を採取し、菌が存在するかを確かめます。
淋病の検査費用
淋菌の検査費用は、およそ3,000円前後です。自由診療だと10,000円ほどになります。保健所であれば、無料で検査を受けることがあります。
潜伏期間
淋菌の潜伏期間は、感染から2日~10日程度です。女性の場合、さらに日数が経ってから症状が出ることがります。
放置すると
淋菌を放置していると、身体の奥へ感染が広がります。その結果、男性は精巣上体(副睾丸)、女性は、卵管や卵巣、骨盤腹膜で炎症が起こります。これらの症状は最悪の場合、不妊を引き起こすので、早急の処置が必要です。
マイコプラズマ・ウレアプラズマ
マイコプラズマ・ウレアプラズマの概要と症状
マイコプラズマ・ウレアプラズマは、どちらも細菌の一種です。淋菌、クラミジアと同じく、尿道炎や膣炎を引き起こします。男性は尿道からの膿や排尿痛、女性は子宮頚部の炎症、おりものの異常、かゆみが起こります。症状に気づかないことも多いです。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査を受けられる機関&検査方法
マイコプラズマとウレアプラズマの検査は、性病科・泌尿器科・婦人科・産婦人科・保健所で受けることができます。
尿検査や子宮頚部の粘膜を採取し、その中に菌が繁殖しているかどうかを確かめます。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査費用
マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査には保険が適用されません。費用は3,000円~10,000円前後かかります。
潜伏期間
マイコプラズマとウレアプラズマは、感染から2週間~3週間で症状を引き起こします。
放置すると
マイコプラズマ・ウレアプラズマを放置していると、精巣上体や前立腺、骨盤内(子宮、卵巣、卵管)にまで繁殖します。その結果、不妊を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
カンジダ症
カンジダ症の概要と症状
カンジダ症は、「カンジダ・アルビカンス」というカビの一種が原因で起こる病気です。カンジダ菌は体内に普遍的にいる菌で、普段は無害です。しかし、体の免疫が下がると増殖し、症状を引き起こします。男性が発症することはめったにありません。ただし、カンジダ症を発症している女性と性交することで感染し、症状が出ることがあります。
女性の場合、性器周辺の強いかゆみが起こり、酒かす状の白いおりものが増えるのが特徴です。外陰部の発疹が出たり、排尿時や性交時に痛みが出ることもあります。
カンジダ症の検査を受けられる機関&検査方法
カンジダ症の検査を受けることができるのは、性病科・泌尿器科・婦人科・産婦人科です。
検査では、尿やおりものを採取します。その中からカンジダが見つかった場合、薬が処方されます。
カンジダ症の検査費用
カンジダ症の検査費は、自由診療の場合、診察費とあわせて6,000円~10,000円かかります。保険適用の場合、2,000円~3,000円が相場です。
潜伏期間
カンジダは、潜伏期間が明確に決まっておらず、「感染してから〇日で症状がでる」といった目安がありません。カンジダに感染している場合、免疫が低下が引き金となって症状が現れます。
放置すると
カンジダ症を放置していると、症状が悪化したり、患部が広がったりしていきます。ただし、軽度の症状であれば、免疫の回復に伴って自然に治癒します。
トリコモナス症
トリコモナス症の概要と症状
トリコモナス症は、「トリコモナス原虫」という寄生虫が原因で起こる感染症です。
女性は性器内外のかゆみ、おりものの変化、排尿時の強い痛みが起こります。泡状で生臭いおりものが特徴です。
男性が感染した場合、尿道から膿が出たり、尿道のかゆみや排尿時の痛みが見られます。
トリコモナス症の検査を受けられる検査機関&検査方法
トリコモナス症かもしれないと思ったら、女性は婦人科・産婦人科を受診しましょう。男性は泌尿器で診察を受け付けています。
検査では、尿やおりものをとり、中にトリコモナスが存在いるかを確認します。、菌の検出には1日かかります。菌が見つからず、培養を行う場合は7日必要です。
トリコモナス症の検査費用
トリコモナス症の検査は、保険適用で1,500円~3,000円かかります。
自由診療の場合、検査費が5,000円~12,000円が相場です。
潜伏期間
トリコモナスの潜伏期間は、3日から1ヵ月です。多くの場合、感染から 1ヶ月で発症します。男性は感染しても、目立った症状が出ないことがほとんどです。
放置すると
トリコモナスは放置すると、性器から身体の奥へ感染を広げます。男性は精巣上体(副睾丸)や膀胱、女性は卵管や卵巣で炎症が起こり、最悪の場合、不妊症になってしまいます。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマの概要と症状
尖圭コンジローマは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」によって起こります。
性器の内外、肛門などに、鶏のトサカのような、カリフラワーのよなイボができるのが特徴です。痛みがでることはほとんどありません。施術でイボを切除しても、少しでも残っていればそこから広がるため、再発しやすいのが特徴です。
尖圭コンジローマの検査を受けられる検査機関&検査方法
尖圭コンジローマの検査は、性病科・泌尿器科・産婦人科・皮膚科で受けることができます。
症状がわかりやすいため、視診と触診で判断されるのが普通です。イボが本当に尖圭コンジローマが判断が難しい場合、イボを切り取り、ウイルスの存在を確認することがあります。ただし、検査でイボの切除まで行われることはめったにありません。
尖圭コンジローマの検査費用
尖圭コンジローマの検査には1,000円前後かかります。
潜伏期間
尖圭コンジローマの潜伏期間は、3週間から8ヶ月です。感染から発症まで、平均2.8ヶ月かかるとされています。
放置すると
尖圭コンジローマを放置していると、イボの数がどんどん増えていきます。また、HPVの中には、まれに「悪性型」と呼ばれる種類が存在し、放置していると陰茎がんや子宮頸がんの原因となります。
ヘルペス
ヘルペスの概要と症状
ヘルペスは「単純ヘルペスウイルス」が原因の性病です。
性器周辺や口周りに、ピリピリと痛みを伴う水ぶくれができるのが特徴です。初めて発症した際は症状が激しくなります。ヘルペスウイルスは1度感染すると体内から駆除することができません。免疫低下などをきっかけに増殖し、再発を引き起こします。
ヘルペスの検査を受けられる検査機関&方法
ヘルペスの検査は、皮膚科・性病科・泌尿器科・婦人科・産婦人科を受診しましょう。
多くの場合、問診と視診で確定診断されます。検査を行う場合、患部の表面をこすり取ったものや、水ぶくれ中の液体の中からウイルスを探します。
妊娠中の女性は、新生児の母子感染を防ぐため、検査を受けることが推奨されます。
ヘルペスの検査費用
ヘルペスの検査費用は、保険適用で1,500円程度、自由診療だと8,000円前後かかります。
潜伏期間
ヘルペスは最初の感染から2日~10日間で症状があらわれます。1度治癒したあとも、ウイルスは生涯にわたって体内で潜伏し続け、免疫の低下をきっかけに増殖します。
放置すると
ヘルペスは、放置しても3週間程度で自然治癒します。ただし初発の症状は痛みが激しいので、病院を受診するのが妥当です。また、ヘルペスは感染力が高く、周囲に感染を広げる恐れがあります。ヘルペスの症状が見られたら、必ず病院を受診しましょう。
B型肝炎
B型肝炎の概要と症状
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって起こる肝臓病の一種です。
免疫機能がHBVを攻撃しようとして、肝細胞にもダメージを与えてしまうことで、症状が起こります。主な症状として、発熱や倦怠感、食欲不振、吐き気などが起こります。B型肝炎は特徴的な症状が出ないため、感染に気づきにくく、悪化しやすい病気です。
B型肝炎の検査を受けられる検査機関&検査方法
B型肝炎は保健所や、ほとんどどこの病院で検査を受けることができます。
採取した血液からウイルスを探す。より厳密な検査をする場合、ウイルスだけでなく、ウイルスの抗体の有無も確認します。
B型肝炎の検査費用
B型肝炎の検査は、保健所なら無料で受けることができます。
病院での相場は、1,000円~4,000円です。
潜伏期間
B型肝炎の潜伏期間は、平均90日です。30日から180日の振れ幅があります。感染から30日から60日経つと、検査でウイルスが見つかるようになります。
放置すると
B型肝炎を放置いしていると、炎症が慢性化し、肝硬変や肝臓がんに発展します。B型肝炎は、肝硬変や肝臓がんの主な原因のひとつです。
C型肝炎
C型肝炎の概要と症状
C型肝炎は、C型肝炎ウイルスによって起こる肝臓病です。年間150万人が感染しているとされています。頻度は低いものの、性行為によって感染することがあるため、性感染症に分類されます。
主な症状は、発熱、全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、口の中の発疹(口腔扁平苔癬)です。B型肝炎と同様、自覚症状が出ることが少なく、感染に気づにくいのが特徴です。
C型肝炎の検査を受けられる検査機関&検査方法
内科を中心に、ほとんどの病院や診療所で検査が可能です。 整形外科なども受け付けています。また、保健所でも検査を受けることができます。
検査では血液を採取し、抗体の有無を確かめます。抗体が見つかったら、今度はウイルス本体を見つけるため、もう一度検査が行われます。
C型肝炎の検査費用
C型肝炎は、患者に完治させる意思があり、指定の治療法を受ける場合であれば、検査費用の助成を受けることができます。その場合の価格は、収めている住民税によって変動します。23,5000円未満なら10,000円、それ以上なら20,000円です。
潜伏期間
C型肝炎の潜伏期間は、およそ2週間から6ヵ月です。ただし、初期感染の際、感染者のおよそ80%は症状が全く現れません。
放置すると
C型肝炎の治療が送れると、B型肝炎同様、肝硬変や肝臓がんの原因となります。HCVに感染した150万人のうち、3万人ほどの患者が肝癌まで悪化して死亡するとされています。
毛じらみ症
毛じらみ症の概要と症状
毛じらみ症は「ケジラミ」という虱(しらみ)の一種が、陰毛に寄生して起こる病気です。性行為を通じて、陰毛同士が接触することで感染するため、性感染症に分類されます。
シラミが血を吸うことで、アレルギー反応として強いかゆみが起こります。また、患部をかきむしってしまうことで湿疹や毛嚢炎の原因となることもあります。
毛じらみ症の検査を受けられる検査機関&方法
毛ジラミ症は、ケジラミがある程度繁殖していれば自分で判別がつきます。もし検査を受ける場合、皮膚科や泌尿器科、婦人科、性病科を受診しましょう。検査では患部の毛を採取し、毛ジラミがいるか確認します。
毛じらみ症の検査費用
毛じらみ症の検査費は、自由診療で5000円~7000円、保険適用なら1500円~2100円です。
潜伏期間
毛ジラミ症は、ケジラミが寄生して1ヶ月から2ヶ月経つと症状が出るとされます。ケジラミの卵は10日~14日でふ化し、それから2週間で成虫になります。
まとめ
性病とひとくちにいっても、様々な種類が存在します。種類によって、症状や潜伏期間、検査方法や費用も様々です。放置していると重症化したり、周囲に感染を広げたりする恐れがあります。感染に心当たりのある人、感染したか不安な人は、病院や保険所で検査を受けましょう。