クラミジアは基本的に自然治癒はしない
いきなり確信に入りますが、クラミジアの自然治癒に対する答えはとても明確です。
クラミジアは基本的に自然治癒はしません。
これは、性器クラミジアだけではなく、咽喉クラミジアも同様です。
クラミジアに感染すると抗生物質での治療が必ず必要になるため、ほうっておくと自然に治るどころか症状が徐々にひどくなっていきます。少しでも早く、適切な治療が必要ということです。
ただ一方で、「クラミジアの治療をしていないのにいつの間にか治った」というケースを耳にするのも事実です。
何故このような現象(一見すると自然治癒したようにも見えますよね)が起きるのでしょうか。
次項でその理由を考えてみます。
「自然治癒したかも?」と勘違いしてしまう2大要因
クラミジアは自然治癒はしませんが、「自然治癒したかも?」と勘違いしてしまう状況は十分にありえます。
それらはどのような状況なのでしょうか。考えられる可能性は次の2点です。
- 風邪などの際に病院で処方された抗生物質がたまたま効いた
- そもそもクラミジアに感染していなかった
一つづつ解説します。
【勘違い要因1】風邪など際に処方された抗生物質がたまたま効いた
クラミジアが自然治癒したと勘違いしまう最も大きな要因は、風邪や他の疾患になった際に病院から処方された抗生物質にあると考えられます。
クラミジアの治療には抗生物質が用いられますが、風邪をひいた際に病院から出された抗生物質がクラミジアに効く可能性は十分にあります。
その結果、クラミジアの治療はしていないにも関わらず、体内からクラミジア菌が消滅し、あたかも自然治癒したと勘違いするということです。
【勘違い要因2】そもそもクラミジアに感染していなかった
2つ目の勘違い要因ですが、そもそも最初からクラミジアに感染していなかった、という可能性も考えられます。
すなわち、検査で偽陽性だった可能性です。
現在のクラミジア検査の主流はPCR法(もしくはSDA法)と言われており、非常に精度の高い結果を得ることができます。
一方で、血液検査などの抗体検査のみでクラミジアの判定を行うケースもまだまだ耳にします。
(抗体検査は体の中の抗体の有無を調べる方法です。そのため、過去にクラミジアに感染したことがある人は偽陽性になってしまう可能性は捨てきれません)
たとえ簡易的な検査だったとしても、結果が陽性と出れば誰でも驚きますし、検査精度の説明をしっかり聞かなければ陽性と信じて疑わないことでしょう。
この場合、後日たまたまクラミジアの検査をして陰性の結果が出れば、「いつの間にか治っていた!」という勘違いにつながるということです。
以上が、クラミジアが自然治癒したと勘違いする2大要因です。
繰り返しますが、クラミジアは自然治癒しませんのでお間違いなく。
ちなみに、最初の要因で説明した「風邪などの際にたまたま処方された抗生物質がクラミジアに効いた」場合ですが、たとえクラミジアの症状が治まったとしても、完治していない可能性は十分に考えらえれます。
中途半端な治療は耐性菌を生み出す要因にもなりますから(私はこの耐性菌にとても苦しめられました)、十分に気をつけてください。
少しでも感染の可能性がある場合や不安を感じている方は、必ず性病検査を受け確実な治療をするようにしてください。
ほっておくとどうなるの?クラミジア放置が招く3大リスク
クラミジアを放置していると、後々大変なことになる恐れがあります。
クラミジア放置のリスクポイントは以下の3つです。簡潔に見ていきましょう。
- 男性も女性も不妊症になる可能性がある
- HIVに感染するリスクが5倍以上になる
- 知らないうちに、あなたの大切な人へ感染させてしまう
【リスク1】男性も女性も不妊症になる可能性
クラミジアを放置していると重症化します。
男性は精巣上体炎、ごく稀に男性不妊症に繋がるケースもあります。
そして、より気をつけなければいけないのは女性です。
女性の場合、最初は子宮頸管炎になりますが、そのまま放置しておくと菌が徐々に体の奥深くに侵入し、卵管炎や骨盤腹膜炎につながります。
結果的に不妊症や妊娠時の早期流産にもつながりますから、感染している場合は一刻も早く適切な治療をする必要があります。
男女ともに知っておいて欲しいのは、クラミジアは症状が出にくいという点です。
男性が50%、女性は80%が無症状です。
症状がないからといって、決して油断しないようにしてください。
【リスク2】HIVに感染するリスクが5倍以上に
クラミジアは適切な治療を行えば、通常は1~2週間程度で完治する病気です。きちんと検査をしていれば過度に恐れる必要はありません。
ただ、気付かぬうちに感染し放置していると、重症化するだけではなく、普段かかりづらい性病への感染リスクが大きくなります。
その1つがHIVです。
クラミジアに感染していると、HIVに感染する確立が5倍以上になると言われています。
たかがクラミジアと侮ることなかれ、です。
【リスク3】知らないうちに、あなたの大切な人へ感染させてしまう恐怖
最も怖いのはこれかもしれません。
先ほどお伝えしましたが、クラミジアに感染しても具体的な症状が出る確率は半分以下です。
「まさか自分が感染しているなんてあり得ない」と思う方がほとんどだと思います。
私はたくさんの方の体験談を見聞きする機会があるのですが、クラミジアを大切な人へ感染させしまい、結果、人生を大きく狂わされた方を何人も見てきました。
「あの時検査をしていればよかった。。」という後悔をしないためにも、常日頃から、自身のリスク管理を怠らないようにしてください。
まとめ
このページでは「クラミジアは自然治癒するのかどうか?」について見てきました。
押さえておくべきポイントは2つ。
クラミジアは自然治癒はしないということ。
そして、気づかぬうちに感染し、放置していると、思いもよらぬリスクが待ち受けているということです。
あとあと後悔しないためにも、ぜひ積極的な検査を行うようにしてください。