「あそこが異常にかゆい」
「パンツを脱いだら白いカスがこびりついてる」
「もしかしてカンジダ……?」
性器に異変を見つけて、「カンジダ」という病名が頭によぎったという人もいるのではないでしょうか?
性器カンジダ性は女性に多い病気です。しかし、まれに男性が発症することもあります。
この記事では「カンジダにかかったかも」と不安を抱えている人のために、性器カンジダ症の症状を男女別に紹介。さらに、感染経路や検査方法、検査に必要な費用についても解説していきます。
性器カンジダ症とは?
性器カンジダ症とは、カンジダという真菌(カビ)が引き起こす性感染症です。
実は、カンジダは誰の身体の中にも存在する菌です。普段はおとなしくしていますが、免疫の低下によって身体の抵抗力が弱まると増殖し、性器カンジダ症を引き起こします。
性器カンジダ性は女性に多い病気です。一方、男性が発症することはめったにありません。男性は性器が外に露出しているため通気性がよく、菌が繁殖しにくいためです。ただし、包茎の人は発症しやすくなります。
また、カンジダは、性器だけでなく、喉や唇で発症することもあります。
性器カンジダ症の症状
性器カンジダ症の症状は男性と女性で違いがあります。
男性の症状
男性の場合、亀頭や包皮に強いかゆみや赤み、尿道炎が起こります。また、白いカスや水疱がでることもあります。
女性の症状
女性が発症した場合も、性器に強いかゆみや炎症が起こります。また、女性に特徴的な症状が、おりものの変化です。黄緑色、または白いヨーグルトのような、ドロドロとしたおりものが増えます。性交時や排尿時に痛みが生じることもあります。
性器カンジダ症の感染経路
性器カンジダ症の主な原因は、免疫力の低下です。
カンジダは、誰の身体の中にも存在する菌です。通常は免疫力が働いているため繁殖できず、身体に悪影響を及ぼすことはありません。
しかし、病気や疲労、ストレス、生理などの原因で身体の免疫力が低下すると、カンジダが増殖し、症状を引き起こします。
性器カンジダ症の原因の9割は免疫力の低下といわれています。一方、性行為で感染する確率は5%~10%です。性行為によって感染しても、免疫力が正常に働いていれば発症することはありません。
その他の感染経路として、感染者が使ったタオルの使いまわしで感染が広がることがあります。
性器カンジダ症の潜伏期間
性器カンジダは、感染から発症までの期間ははっきりしていません。
カンジダはほとんどの人が感染しており、免疫の低下をきっかけに発症します。そのため、「感染してから○日で発症」といった基準がないのです。
また、「どれくらい免疫力が低下したらカンジダが発症するのか」「免疫力の低下から何日で発症するのか」という基準もありません。このことから、カンジダの潜伏期間を特定することは困難なのです。
性器カンジダ症の検査
性器カンジダ症の検査は、性病科、泌尿器科、皮膚科、女性なら婦人科、産婦人科で受けることができます。
男性は亀頭やその周辺、女性は膣内を綿棒で擦り、分泌物を採取します。尿検査が行われることもあります。採血など痛みを伴うことは行われません。
採取した分泌物を顕微鏡で確認したり、培養したりしてカンジダ菌が見つかったら、性器カンジダ症と診断されます。
検査結果が出るのにかかる時間はおよそ1週間です。費用は診察料と検査料を合わせて、およそ5,000円~10,000円です。
性器カンジダ症の検査は検査キットでもできる
検査キットを使えば、病院に行かなくても性器カンジダ症に感染しているかどうか調べることができます。
付属の綿棒で患部から分泌物を採取し、専門機関に送ります。結果がわかるのは翌日から3日後です。
検査キットはAmazonやドラッグストア、検査機関のホームページで購入できます。価格は安いもので3,000円前後、高いものはおよそ10,000円です。
尿道炎やおりものの変化など、性器カンジダ症の症状は他の性病にも見られるものです。また、性病はそれぞれ有効な薬や対処法が異なります。症状が出たら自己判断で治療せず、検査を受けて原因をはっきりさせましょう。
性器カンジダ症の治療
性器カンジダ症は薬で治療が可能です。
男性の場合、軟膏やクリームが処方されます。女性の場合、膣錠という膣の中に入れるタイプの錠剤が使われます。
性器カンジダ症が再発した場合に限り、薬局で販売されている市販薬も有効です。再発した性器カンジダ症の治療に有効な薬として、「フェミニーナ膣カンジダ錠」「メンソレータムフレディCCクリーム」などが挙げられます。
症状が軽いものであれば自然治癒します。性器カンジダ症は免疫の低下によって起こるので、発症したらいつもより食事や睡眠に気をつかい、免疫力を高めましょう。
まとめ
性器カンジダ性は、カンジダというカビによって起こる性感染症です。
男性の場合、発症することはまれです。発症した場合、亀頭や包皮の強いかゆみや、白いカスのようなものが出るのが特徴です。
女性が発症すると、性器に炎症や強いかゆみが起こります。おりものが白くドロドロしたものになるのも特徴です。
性器カンジダ性は性感染症に分類されていますが、性行為によって感染する確率は5~10%程度です。発症の原因のほとんどは、体内にもともと存在するカンジダが、免疫の低下によって増殖することです。
性器カンジダ症の検査は、性病科や泌尿器科、婦人科で受けることができます。検査費用は5,000円~10,000円です。また、検査キットを購入すれば、自宅で検査することもできます。検査キットの費用は3,000円~10,000円が相場です。
治療には軟膏が使われます。女性の場合は膣の中に入れる膣錠が使われます。また、症状が軽い場合、免疫が回復することで自然治癒することもあります。